早期教育は本当に浸透している?
有名人が子どもの頃から早期教育を受けていたとニュースで伝えられると、一般家庭の間でも早期教育ブームが起こり、子どもを習い事に通わせる過程が増える傾向があります。
とある統計調査によると、首都圏在住の一般家庭のうち、年長児では7割以上の子どもが何らかの習い事に通っている、というデータがあります。
こちらは首都圏にかぎった統計ですが、全国的に見ても早期教育への関心は年々高まっており、早ければ乳幼児のうちから早期教育を受けさせる、というケースもあるようです。
本当に、早期教育が効果があるのでしょうか。メリットとデメリットについて見ていきましょう。
早期教育の種類と内容
習い事の定番というと、ピアノ、サッカー、そろばん、学習塾などがあげられますが、早期教育となるともう少し本格的です。
日本でも人気になっている早期教育としては、リトミック、ダンス、工作、フラッシュカードなどがあり、ここ数年は囲碁や将棋もブームになりつつあります。
リトミックとは音楽療法の一種で、リズムに合わせて体を動かすことで音感や運動神経を養う、という狙いがあります。
フラッシュカードは記憶力や瞬発力を養うトレーニングで、数秒単位で切り替わるカードに書かれた数字や絵を暗記したり、言葉にしたりすることで言語能力、表現力が高められると言われています。
早期教育のメリットは?
早期教育は本来、子どもの潜在能力を幼いうちから引き出すために行われます。
子どもの発達には能力ごとに臨界期があり、おおよそ3歳~5歳までの間に脳内の回路が完成すると言われています。
早期教育の意義はここにあり、脳がまだ柔軟な未就学児のうちに高度な早期教育を受けさせ、子どもの可能性を広げてあげることが有効であるとされています。
幼いうちはできるだけ多くの早期教育を受けさせ、選択肢を広げることで子どものやる気を引き出し、本来の適性を見えやすくするのがベストです。
早期教育のデメリットは?
子どもの潜在能力を最大限に引き出すことのできる早期教育ですが、デメリットもいくつかあります。
大きなデメリットは、「押しつけになりやすい」ということです。
早期教育は、基本的に子供に選ばせるのではなく、保護者がメニューを組み立てるため、子どもにやる気がない場合、たんなる押しつけになってしまう可能性があります。
さらに、保護者が無理やり早期教育に通わせるとますます拒否感が強くなり、親子関係が悪くなってしまう可能性もありますので、子どもの適性を見きわめることが何よりも重要です。
お母さんだけがひとりで判断するのではなく、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃんと、たくさんの人に意見を聞いたうえで決めるのも良いでしょう。